勝手にコラム


ポール・マッカートニー・ライブ報告


マニアック度★☆☆☆☆

driving japan

去る、11月17日。大阪ドームへ、元ビートルズのポール・マッカートニーのライブを観て来た。題して「driving japan」。全37曲のうちビートルズナンバーが23曲というサービスぶり。今年還暦を迎えたとは思えないほどのパワーを見せ付けてくれた。
今回、久しぶりに更新した当コーナー「勝手にコラム」では、そんなポールのステージをレポートする事としよう!

いざ、大阪ドームへ

開場16:00、開演18:00ということだが、駐車場の件もあり余裕をもって12時過ぎに家を出た。いよいよポールが見れるワクワク気分で、深まった紅葉を見ながらのサンデードライブ。カーナビでは大阪ドームまで3時間半ほどかかる計算だったが、名阪国道でかなり時間を稼げた。 この分だと14時過ぎには大阪ドームに着きそうだ。それにしてもカーナビというのは便利だ。はじめて行く場所でもほとんど迷わない。ドームの駐車場はちょっと高いので、民間の駐車場へ止める。その入り口がわかりづらく、ここだけが迷った。そんなこんなでドームに到着。
開場にはまだ時間があったので、グッズ売場へ。まあ、かなりの人。アリのように群がっている。自分もそのアリの一匹だが・・・。腹が立つのはアメリカのでツアーCDが売れれており、店頭で流している。今からほぼおんなじライブを見るというのに、ネタがわかったらおもろないではないか。 スポーツ紙などでは、今回のセットリストを載せているものもあったが、自分は出来るだけ見ないようにしていた。映画を見る前にストーリーが全部わかってしまったらつまらんからね。取り敢えずプログラムを購入。ドーム内のマックで腹ごしらえをして、いよいよ開場だ。

7列目71番

ようやく開場となり、6番ゲートから入場。入場口がいくつかにわかれているせいもあり、ほとんど混雑していない。エスカレーターを降りて会場内へ。ウォー!これがドームかぁ。なにやら靄がかかってる異様な雰囲気。アリーナに入る時、係員になにやら渡された。サイリュウム?っていう奴か?よくコンサートで観客が振っている光る棒だ。なるほど、これを振ってライブを楽しむわけか? しかし、こんなんタダでもらえるんや。まあ、これも14000円分に入ってるんやろなぁ。と、思いながら席を探す。アリーナ席はさすがに広いため、係員が案内していた。自分は7列目71番。なんと本当に前から7列目だった。席に着いて圧倒。ステージが目の前ではないか。手を伸ばせば届くような距離感。こんな近くでポールが見れる。まだ、開演まで2時間もあるのに、 もはや興奮状態。ステージ上は、アーチ状の幕で仕切られ、中の様子はわからない。幕の前には、中央に大ディスプレイ、その両サイドに小さいディスプレイが並んでおり、いずれも吊り下げ式になっている。中央のディスプレイだけが下げられた状態だ。その前方には3本のマイクスタンドが、そして、モニター類。と、こんな感じだ。
実をいうとポールの公演を観るのは今回が2度目である。前回は90年のツアーで会場が東京ドーム。その時はスタンド席で、バックネット裏だったので、豆粒のようにしか見えなかった。それに比べたら今回はすごい。チケット取ってくださった、B・C・CインターメンバーのT氏に深く感謝。

それはプレ・ショーから始まった

開演まで時間があったので、アリーナをうろうろ歩き、自分達が前のほうである事を再確認。後は、アリーナから出て、売店のある通路をぐるりと一周した。さすがにドームは広い。さて、席に戻りあとはポールを待つのみ。
もう、開演の18時をとっくに回っているのにまだ始まらない。係員にもらった棒には光りを灯し準備万端なのに・・・。そしたら、なにやら1塁側のスタンドの方からざわざわとしてきた。まさか、客席からポール?ラッキー7のコントじゃあるまいし・・・。キョロキョロと見回すが、こちら側ではまるで事態を把握出来ていない。 次第にあちこちから歓声が・・・。そして、バルーンのようなものが次々と観客席に現れた。歓声の正体は、これからプレ・ショーを演じる舞台俳優たちが、客席から現れたからだった。

なんじゃこりゃ!?

観客から現れた異様な人物、ダンサーやピエロにパントマイム。次から次へとステージ上に・・・。民族音楽のような曲をバックに、所狭しと踊り出す。総勢20〜30人。球乗りはするわ、カンフーもあるわ、力士は出て来るわ、なかなかここでは書き表す事が出来ない異様さ。 はっきり言って気持ち悪い。趣味悪いぞ。観客もあっけに取られていた。まあ、これもポールの演出かと思ったら、我慢するしかないか・・・。このプレ・ショーが約20分つづいた。そして・・・。

1曲目からビートルズ・ナンバー

へんてこなプレ・ショーの盛り上がりも頂点に達したその時、音楽が止まり、一瞬にしてさっきまで踊っていた舞台俳優たちがいなくなる。そして、中央ディスプレイに、バイオリンベースが浮かび上がった。すると幕があき、ディスプレイもゆっくりと上昇。ウワ〜っと歓声があがる。バンドを従えてポールの登場だ。7列目は生ポール丸見え状態である。 「You say yes・・・♪」からはじまるビートルズナンバー「ハローグッドバイ」がオープニングアクト。あのポールが目の前で歌っている。まるで夢のような瞬間を今、味わっているのだ。

日本語も堪能?

2曲目はウイングスのヒットナンバー、「ジェット」。もうこれは定番中の定番。70年代からポールはこの曲を歌いつづけている。そうとうお気に入りなんだろう。観客も、「ジェット!」とサイリュウムを振りかざす。ライブでは初の試みとして、ポールのMCを同時通訳してディスプレイに字幕が出るシステムなっていた。これは非常にありがたいが、かなり 字幕のほうが遅れていて笑ける。結局ポールは「マイドォ!」「モウカリマッカァ!」とか日本語というより大阪弁を連発していた。そういや、66年の初来日では「ドウモォ」。90年では「オッスゥー」を、アホのひとつ覚えのように連呼していた。

時間はあっという間

いよいよライブも佳境に。今回ホントにビートルズナンバーが多い。あっぱりお客サンのことをよく考えてくれている。個人的にはもっとソロの曲もやってほしかったが、致し方ない。ポールは曲ごとに、ベースにギター、ピアノ、アコースティックギターと使いわけた。一貫性がない分、見ている我々にとって時間を忘れさせてくれる。

全37曲紹介

1、2曲目は前に書いたので、3曲目から1曲ずつ触れて見ることにしよう。

3、オール・マイ・ラビング

初期のビートルズナンバー。ベースを弾きながら歌うすがたがかっこいい。

4、ゲッティング・ベター

’67年に発表された「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」からの曲。ライブで演奏されるのは今回のツアーがはじめて。ポールはギター。ハイポジションでのイントロが印象的。

5、カミング・アップ

’80年に発表された、ポール2枚目のソロアルバム「マッカートニーU」に収められたヒット曲。アレンジは当時のものとはかなり違っている。

6、レット・ミー・ロール・イット

ウイングス時代の曲で、これもライブでは定番。

7、ロンリー・ロード

申し訳ありませんが、この曲知りません。ニューアルバムの曲か?

8、ドライビングレイン

これはニューアルバムの曲。初めて聴いたがポールらしいナンバー。

9、ユア・ラビング・フレイム

これも知りません。おそらくニューアルバムの中からの曲でしょう。だとしたら、まとめて3曲やってしまえ!って感じだったのかな?

10、ブラック・バード

アコースティックギターに持ち替えて、弾き語り。私自身、この曲は高校生のころにギターを練習していた曲なので、こんな目の前で本物が弾いてるなんてウソのようだ。ピッキングを食い入るようにみていたが、う〜ん。親指でもストローク気味に弾いていたような・・・?

11、エブリナイト

ビートルズ解散後に出したソロアルバム「マッカートニー」に収められた曲。公式海賊盤「アンプラグド」にも収められている。地味なようだが結構好きなナンバー。このへんがポールのすごいところか・・・。

12、恋を抱きしめよう

ビートルズでは、ジョンとポールのハモリがかっこいい曲のひとつ。弾き語りだったので、自分でハモってしまう。オ〜!ポールとハモったぞ〜!って向こうは知らんちゅうの!!

13、ユー・ネバー・ギブ・ミー・ユア・マネー

ここで、ピアノに・・・。でも、ピアノのデザインがあまりにもセンスがないぞ。まあ、ビートルズ後期をイメージしてあるのだろう。名盤「アビイロード」からの曲。アビイロードメドレー一発目の曲だ。

14、キャリー・ザット・ウエイト

これも、アビイロードメドレーの中の曲

15、フール・オン・ザ・ヒル

直訳すると「丘の上のバカ」というらしい。「マジカル・ミステリー・ツアー」に収められたポールらしいナンバー。

16、ヒア・トゥデイ

再びアコースティックギターに持ちかえる。今回のライブで1番よかった曲。かなりやばかった。ポールが今は亡きジョンに贈った曲。’82年のソロアルバム「タッグ・オブ・ウォー」からの曲。当時高校生だった私は、この曲の訳詞を読んで目頭が熱くなった。20年前の曲なのに、ポールなぜ、今歌うのか。

17、サムシング

こちらは去年この世を去ったジョージに贈った曲。以外にもポールはアップテンポにジョージのこの名曲を歌いあげた。ジョージからもらったというウクレレで・・・。「サムシング」はビートルズナンバーの中でも、5本の指に入るほどの名曲だと思っている。ポールは、自分以外が作ったビートルズナンバーを歌うのは今回が初である。

18、エリナー・リグビー

サンプリングの威力で、ストリングスの音色も忠実に再現。前々回のツアーでも思ったが、ここまで出きるのか・・・。

19、ヒア・アンド・エブリホエア

おなじみのポールのバラード。

20、カリコ・スカイズ

この曲も知りません。たしか、妻に贈る曲だとか言ってたような・・・?

21、ミッシェル

こちらもおなじみのナンバー。うれしいのは、ビートルズと全く同じアレンジでやってくれる事。やっぱり、観客のことわかってる。

22、バンド・オン・ザ・ラン

ウイングス時代のヒットナンバー。これもライブでは必ず演奏する曲。三部構成にわかれた曲が躍動感を生み出す。

23、バック・イン・ザ・U.S.S.R

ホワイトアルバムの1曲目。ジェット機の音も忠実に再現している。

24、恋することのもどかしさ

ファーストソロからのピアノバラード。これもライブでは定番。ビートルズの解散がもうちょっと延びていたら、これもビートルズの名曲として世に残ったに違いない。

25、幸せのノック

ウイングスの曲。これも、ライブでは定番。

26、マイ・ラブ

これぞ、ウイングス時代の名曲中の名曲。ポールしか作れない曲。この曲が1番好きと言う人も多い。

27、シーズ・リビング・ホーム

まさか、この曲もやるとは・・・。「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」からの曲で、もちろん今回のツアーが初演奏。

28、キャント・バイ・ミー・ラブ

ビートルズ初期のヒットナンバー。二人のギターがユニゾンでソロを・・・。キーボードがアコギを弾いてたのを見逃さないぞ!

29、007/死ぬのは奴らだ

007シリーズのテーマ曲はウイングスが演奏したもの。それにしてもステージ上の爆発には驚いた。わかっていたけどマジで驚いた。熱風がこっちにまで襲って来るんやもん!

30、レット・イット・ビー

ビートルズといえば、この曲。この曲は誰でも知っている。

31、ヘイジュ−ド

「ダーダーダーダダダッダー♪」と延々と観客を交えた大コーラス。途中ポールが「オトコダケ」「オンナダケ」っと仕切る場面も。そして、取り敢えず大阪公演は幕を閉じた。・・・で終わるわけがない。アンコールをうながす手拍子が延々と・・・。

32、ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード

ここでバラードとはねぇ。会場が盛り上がってるのにそりゃないぜ!でも、ポールだから許せてしまう。

33、レディ・マドンナ

しかし、しかし、良い曲が多いねぇ。

34、アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア

ビートルズのファーストアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」からの曲。しかし、30年前の曲をそのままのキー、そのままのスピードで歌い上げるなんて信じられない。しかも、アンコールで・・・。そうして、再び幕が閉じる。これで終わりなわけがない。まだ、アレをやってないぞ!

35、イエスタデイ

ま、ここでのバラードは正解でしょう!みんなこれを待ってたわけやし・・・。私は待ってないが・・・。

36、サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

正確に言うとリプリーズのほう。これで、ショーが終わりということを告げる。

37、ジ・エンド

正真正銘これで終わり。前々回と同じなのが気に入らないが、まあこれが無難な終わり方であろう。閉幕と同時に大量の紙ふぶきが観客に・・・。盛大なショーはこうやって幕を閉じたのだった。

今回が最後のツアーだと言われているが、まだまだ健在である。ポール自身も終わりだとは言ってないそうだ。きっとまた来るだろう!


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