〜 いきているきろく 〜
2005年07月編 その2

[前日へ]  [後日へ]  [最新版へ]

2005/07/12 (火)

ツール・ド・フランス第10ステージ

_ ツール・ド・フランス第10ステージはアルプス初日、クールシュベルまでの頂上ゴールのステージ。ディスカバリーがランス・アームストロングのために完璧に仕事をこなした。モローが遅れ、マイヨ・ジョーヌの夢が潰える。T-Mobileはヴィノクロフがまず遅れ、さらにウルリッヒも…。リバティセグロスもエラス、ベロキが遅れてしまい、完全に終了。@s 最後の上りは全く目が離せない展開。ランスの他、ラスムッセン、そしてバレアレスの2人バルベルデとマンセボが最後まで残った。4人のうち、ランスが先頭を引く時間が長く、一番余裕がありそう。マンセボはいつものように首を傾けて苦しそう。

_ トンネルを抜けると残り1kmのフラムルージュ。牽制気味の中から、ランスが仕掛けた!ラスムッセン、マンセボはついていけない。バルベルデが、ランスの後ろについた!

_ バルベルデ、ゴール手前でランスをかわしてゴール!ランスは勝利を譲ったような格好。ゴール直後にバルベルデを称え握手。

_ 結果、マイヨ・ジョーヌは再びランス・アームストロングの元に。山岳賞はラスムッセン。山岳ポイントが倍になる頂上ゴールで3位に入り、ポイントをがっちりゲット。マイヨ・ブランは、何とステージ優勝したバルベルデ。彼もポポヴィッチ同様、マイヨ・ブラン対象者(25歳以下)なのね…。どっちもジロとブエルタで活躍した経験があるので、新人賞と言われるとちょっと違和感が。


2005/07/13 (水)

ツール・ド・フランス第11ステージ

_ アルプス2日目となるツール・ド・フランス第11ステージ。マドレーヌ峠、テレグラフ峠、ガリビエ峠というツールで名高い峠を通過する超難関ステージ。

_ マドレーヌ峠を越えた後、先頭はヴィノクロフ(T-Mobile)、ボテーロ、ペレイロ(2人ともフォナック)の3人に。下りでペレイロがコースオフし、転落!ギョッとさせられたが、崖ではなくなだらかな斜面だったため、ペレイロは無事に復帰(^^;。

_ 途中、エウスカルテルのエゴイ・マルティネスが追いついてきたが、再び切れてまた3人に。最後のガリビエ峠でヴィノがペレイロ、ボテーロを順にちぎり、峠をトップで通過。@s 最後は下ってゴール。上りゴールにしなかったのは、総合争いがピレネーまで続くようにという主催者側の願いのようだ。その下りがあまり得意ではないヴィノクロフに、ボテーロが追いついてきて、ゴールは2人によるスプリント勝負に。残り250m、ヴィノが後ろからかけた!ボテーロ付けない。そのままヴィノが優勝!

_ 昨日遅れてしまい総合争いから脱落した感のあったヴィノクロフ、まだまだ終わっちゃいない。好きな選手なので、ピレネーで頑張って逆転を目指して欲しい。ボテーロも同様に昨日の雪辱を果たした。ツール・ド・ロマンディ、ドーフィネ・リベレで活躍し復活の兆しを見せたボテーロも、この後のピレネーでの活躍を期待したい。

_ それにしても、ヴィノクロフ、ボテーロを逃がしたということは、ディスカバリーは彼らを脅威には思っていないのね…。ヴィノはこれでも総合12位に上がるのが精一杯だし、ボテーロは6位までジャンプアップしたものの、もともと成績にムラっ気のある人なので総合優勝はできないだろうと。この判断が後々後悔することにならなければいいけどね。

_ 体調を崩したフォイクトがグルペットから遅れてタイムアウト。マイヨ・ジョーヌを着たCSCの選手が、また消えてしまった…。また、序盤にボーネンが落車。ちょっとつらそう。

_ この日、ファッサボルトロのダリオ・フリーゴがレース除外。妻の車のトランクからEPOが発見され、警察に拘束されたため。フリーゴは2001年のジロで総合優勝を争いながら、薬物所持が発覚して監督により即刻解雇(その時もファッサボルトロ所属)された前科がある。フェレッティ監督は一度解雇した彼を再びチームに迎え入れたというのに、再度このスキャンダル…。もう彼はダメだろう。それにしても、今年でスポンサーを降りるファッサボルトロの代わりの新しいスポンサーを探すために奔走しているフェレッティにとっては、痛い出来事だ…。


2005/07/14 (木)

iPod

_ いよいよiPodのリモコンが断線で反応がおかしくなってきた。買い換え意欲がだんだんと高まりつつある。30GBのiPod photoが品切れにならないうちに買うべきか…。

_ ところでリモコンコードって、新しいiPodでは断線しにくいように改良されてるのだろうか。今のは上方向の引っ張りに弱い作りになっていて、耐久性が低すぎる。3年弱で2つめがダメになろうとしているわけで、ちょっと酷い。

ツール・ド・フランス第12ステージ

_ ツール・ド・フランス第12ステージはフランス革命記念日。フランス人のモチベーションが高くなる日。昨年はリシャール・ヴィランクが自身最後の勝利を飾っている。

_ この日、トム・ボーネンが前日の落車の影響で未出走。マイヨ・ベールを着たままツールを去っていった。でもこれでマイヨ・ベール争いは面白くなりそう。早速最初のスプリントポイントでスプリンターたちが小銭稼ぎに出て、マクギー、マキュアン、ハスホフトがポイントを獲った。

_ この日の逃げは11人だったが、後からスプリンターのハスホフト、オグレディが追いついて、13人に。集団スプリントではマキュアンに負けてしまうから、逃げを成功させてポイントを獲りにいく作戦か。

_ エスケープはメイン集団を大きく引き離し、ステージ優勝は完全にエスケープ組のものに。後は誰が行くか…。逃げる中で、フランス人は3人。アルガン(クレディアグリコル)、カザル(フランセージュ・デジュ)、そしてモンクティエ(コフィディス)。そのコフィディスが単独アタックを決めて、独走。昨年ヴィランクに裏切られたアクセル・メルクスが中心となって追うが、あと一歩というところで牽制状態に陥り、モンクティエがそのまま優勝。追走集団の頭を獲ったのはカザル。何とフランス人が1-2フィニッシュ!

_ モンクティエは去年もステージ1勝を挙げており、2年連続のステージ優勝。でも今年の勝利はフランス国中が燃えるフランス革命記念日での勝利だからなぁ。格別だろう。一方、ベルギー人のアクセル・メルクスは2年連続でフランス革命記念日にフランス人にやられてしまった。

_ 集団はトップから10分以上遅れてゴールしたが、総合争いに変動はなし。しかし、盤石のディスカバリー・チャンネルに、若干刃こぼれが。山岳のアシスト、マニュエル・ベルトランが落車してリタイアしてしまった。ピレネーでランスをひくべき選手が一人減ってしまったことになる。と言ってもまだまだアシストがいるからなぁ…。


2005/07/15 (金)

ツール・ド・フランス第13ステージ

_ ツール・ド・フランス第13ステージはアルプスとピレネーの合間の平坦ステージ。総合争いの面々にとっては休戦日で、勝つのはスプリンターか、逃げ屋か。

_ 序盤から逃げたのはフレチャ(ファッサ)、ホーナー(サウニエルデュバル)、ダクルズ(フランセジュ・デジュ)、ヴォクレール(ブイグテレコム)、トゥルパン(AG2R)。なかなか面白いメンバーだ。

_ エスケープ組は集団と一時9分以上の差をつけたが、スプリンターのマキュアンに勝たせたいダヴィタモン・ロットが集団をひいて加速。しかし、あと少しというところで何故かひくのをやめてしまった。代わってディスカバリーが集団をひき始めるが、逃げを捕まえに行くような引きではない。そのために、ここから一発決めたい逃げ屋が隙あらば飛ださんと様子を窺う。

_ 集団からシルヴァン・シャヴァネル(コフィディス)が飛び出した!シャヴァネルは先頭集団に追いついて、さらにアタック。ホーナーだけが彼についていけた。

_ ホーナーは今年のツール・ド・スイスでもステージを獲っているアメリカ人。シャヴァネルはフランス期待の選手の一人。2年前の山岳ステージで逃げを打ち、有名なツールマレー峠を制している(その後ランスに抜かれたが)。脚が余っていそうなのはシャヴァネルの方か。2人は意外と頑張って、集団がなかなか追いついてこない。

_ ラスト1km。差は8秒。逃げ切れるか?あと500m、逃げる2人の後ろ、カーブの向こうから集団が津波のように押し寄せる。ランダルーセ、シメオーニが逃げ切れなかった去年の第9ステージの再現か?

_ スプリンターの抱えるチームの動きは計算ずくだった。残り200mというところで、シャヴァネル、ホーナーは集団に飲み込まれてしまった…。ゴールスプリント、フレッド・ロドリゲスがマキュアンを引っ張り、マキュアンが絶好のタイミングで飛び出してトップでゴール。ロドリゲス自身も粘って3位に入り、マキュアンのポイント賞争いのライバルであるハスホフトを5位に沈めた。そういえば、似たような展開だった去年の第9ステージもマキュアンが制している。ある意味悪魔だなぁ。

_ この日はマイヨ・ブランのバルベルデが体調不良で自転車を降りてしまった。今年は活躍した選手に次々と悲劇が襲うなぁ…。この結果、マイヨ・ブランは再びポポヴィッチの手に。ポポヴィッチはランスのアシスト要員ながらもしっかり総合でも14位に残ってるんだなぁ。


2005/07/16 (土)

ツール・ド・フランス第14ステージ

_ ツール・ド・フランス第14ステージ。いよいよピレネーに突入。集団から9分差で逃げていた10名の中から最終的に、トーチニヒ、ガルゼッリ(この日誕生日)、ベネトーの3人が抜け出す。

_ 追走集団からはヴィノクロフがアタックをかけたが、これはT-Mobileの先兵としてのアタック?主要選手がアタックを掛け合う内に、追走集団の人数が絞られていく。ランス、バッソ、ウルリッヒ、ランディスらの集団と、ラスムッセン、クレーデン、マンセボらの集団に分かれる。ヴィノクロフはその後ろ…。あと、ディスカバリーの選手はランス以外一人もいない。

_ 先頭ではベネトーが遅れ始め、さらにガルゼッリが後退。超級山岳をトーチニヒが単独で通過。

_ 超級山岳の下りで、グループ・マイヨ・ジョーヌにラスムッセンらのグループが追いつく。さらにヴィノクロフもなんとか追いついた。さあ、1級山岳へと向かう最後の上り。何とヴィノクロフがアタックをかけた!しかし何故かクレーデン、ウルリッヒのT-Mobile勢が先頭になってヴィノクロフを追って吸収。引っかき回すためのアタックだったのか?

_ バッソが仕掛ける。ランス、ウルリッヒ、ランディス、ライプハイマーの4人がついていくが、やがてランス、ウルリッヒ、バッソの3人が生き残る。

_ しかしウルリッヒ、ランスのペースについていけず、脱落。ゴール地点にはトーチニヒが最初に現れた。逃げ切り勝利。後続、ランスが加速しバッソを振り切る。ランス2位、バッソ3位。山でランスについていけるのはバッソだけなのか。ウルリッヒ、またもランスの後塵を拝し、総合争いからまた一歩後退。

_ ベテラン34歳のトーチニヒは7回目のツール出場で初めてのステージ優勝。オーストリア人としても史上2人目のステージ優勝者ということだが、前の優勝者は74年前って(^^;。表彰台では目に涙が…。

_ 明日は中盤から1級山岳が4つ続き、最後に超級サン・ラリー・スランが控える超難関コース。その前にプロトンはポルテ・ダスペ峠にあるカザルテッリの碑に立ち寄る。10年前にここで亡くなったカザルテッリは、アームストロングの当時の同僚。ここまでステージ優勝がないアームストロングだけど、ここは勝ちに行くのではないだろうか、様々な意味を込めて。そして今年のツールはここで事実上決まってしまうのかな。


2005/07/17 (日)

ツール・ド・フランス第15ステージ

_ ツール・ド・フランス第15ステージ。ピレネー頂上ゴールのこのステージを制したのは、ランスのアシストである、ジョージ・ヒンカピー。ランスの連覇期間中、ランスのチームメイトがステージ優勝(チームTTでの勝利を除く)したのはこれが初めて?

_ ランスが勝ちに来ると思っていたこのステージ、意外にもディスカバリーは大逃げを容認して、ランスのいるグループ・マイヨジョーヌからの優勝の可能性はなくなる。しかし、逃げている先頭グループの中には、ランスのアシストであるヒンカピーが入っていた。ディスカバリー(USポスタル)が逃げにメンバーを送り込むのは珍しい。もしかしたらいざというときに前から降りてくる作戦か?

_ ヒンカピーにとっておいしいのは、チームに総合リーダーがいることで、ひく必要がないこと。これで、終盤まで体力を温存できる。

_ 後続でアタックがかかり、最後は例によってランスとバッソの2人だけに。ウルリッヒはまたも脱落。

_ 先頭グループの争い、サン・ラリー・スランの登り口でブロシャールが仕掛けるが、ペレイロがカウンター攻撃。ヒンカピーはしっかりとついていく。ブロシャール、ボーヘルト、カウッキオーリが遅れる。セビーリャはウルリッヒのためにいつの間にか後退。先頭はペレイロとヒンカピーだけとなり、バスク人が多数陣取る中をかき分けて、2人で上っていく。

_ ラスト数百メートル、ヒンカピーが後ろから仕掛けた!ペレイロにはもう脚が残っておらず、ヒンカピーを追えない。そのままヒンカピーが先にゴールし、自身初のツールでのステージ優勝を達成。ペレイロ、今日も勝てず。

_ バッソとアームストロングが2人でゴールにやってきた。ボーナスタイムもない順位なので、そのまま争うことなくバッソ6位、ランス7位でゴール。その後ろ、セビーリャのアシストを受けながら、ウルリッヒが苦しい表情でゴールにやってきた。そのすぐ後ろに、一旦置いていったはずのラスムッセンが。

_ 総合は、アームストロングの首位は変動なく、2位にバッソが上がってきた。ラスムッセンは3位に後退したものの、ウルリッヒとはまだ3分近いマージンがある。10位以内から一旦転落したモローが9位まで挽回。


2005/07/19 (火)

ツール・ド・フランス第16ステージ

_ ツール・ド・フランス第16ステージは、超級山岳オービスク峠を越えるピレネーの最終ステージ。一昨日の第15ステージでヒンカピーに差されてステージ2位に終わったフォナックのオスカル・ペレイロが今日も奮戦。オービスクの下りで先頭を走りながらパンクしてしまうというトラブルに遭いながらも、イリェス・バレアレスのサンディオを引き連れてマッツォレーニ、エヴァンスの先頭2人に合流。最後は4人でのゴールスプリントを制し、敢闘賞赤ゼッケンをつけながらのステージ優勝。すばらしい活躍ぶり。パリで大会自体の敢闘賞として表彰されるかな。

_ 先頭が4人に固まった後、総合順位を上げたいダヴィタモン・ロットのカデル・エヴァンスが積極的に先頭グループをひいたことによって、後続とのタイム差がつき、エヴァンスは総合7位まで浮上してきた。彼にとってはステージ優勝より総合順位のほうが大事だったようだ。ゴールスプリントでは当然ながら脚が一番余っていなくて4位に終わったが、それでも満足する結果だっただろう。

_ クレディアグリコルのカシェチキンが観客に殴られ鼻血。手を伸ばせば選手に触れることのできる数少ないスポーツだけに、こういうトラブルは起こしてほしくないものだ。

_ 今日は各賞ジャージの変動はなし。これから変動がありそうなのは、ポイント賞のマイヨ・ベールだけか?


[前日へ]  [後日へ]  [最新版へ]

この日記は、GNSを使用して作成されています。

E-Mail Address:idris@mint.or.jp  
idrisのほーむぺーじ